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お母さんのお弁当

家族でどこかへ出かけるときに、たまにだけれどお弁当を作る。市販のお弁当だと高カロリーなものが多いし、入っている野菜の量も少ないが、手作りだと野菜たっぷりのヘルシーなものができるうえに安上がりだし、お愛想でも家族に喜ばれる。
いいことばかりだけど、お弁当を作ることになれていない自分にとっては、これがなかなか一仕事である。時間は掛かるし、入れるおかずのアイデアもあまりない。
今になって思い返すと、中学、高校と毎日お弁当を作ってくれた母は大変だったろうと思う。いまさらのように、ありがたいと思う。
一番印象に残っているお弁当は入学試験の日に作ってくれたお弁当で、包みを開けると、お弁当箱の上に二つに折った紙片が乗っていて、母からの短い励ましの手紙であった。胸がいっぱいになるような気がしたけれど、隣にいる友人に見られるのが恥ずかしいので、こっそりのぞき見るように読んで、そっとお弁当袋の底に仕舞った。
そのときのお弁当の中身は忘れてしまったけれど、メモ書きを読んだときの気持ちは今も覚えている。
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猫の墓参り

ポチの墓を作ったと父が言ったので、実家に寄ったついでに見てきた。
庭の隅っこの、木の葉が光と影のまだら模様を作っている地面の上に、四角くカットされた御影石のプレートが二つ並んでいて、左の石に「ネロ 1998−2007.7.16」、右の石に「ポチ 2002(入居)−2008.5.3」と父の字で記されていた。
その、真新しいポチの墓石の上に土が乗っていて、「ポチ」のポの字が見えにくくなっていたので、もしや、と思ったら、果たして墓石の向こうにそれがあった。ぷーんと臭ってきて、父が「ちゃぷりのやつだな…」と苦笑した。
土を被せたばかりの地面がまだ柔らかかったので、ちょうどいいやとやってしまったのだろうが、ちゃぷりといえば、ポチが家に来たおかげで初めて友達ができ、よく一緒に日向ぼっこをしたり、寒い日にはひとつの箱の中で二匹丸くなって眠ったりしていた仲である。
まったく猫ってやつは。なんだかおかしな墓参りであった。
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抜け毛の季節

猫は抜け毛の季節ですね。
みゆちゃんが擦り寄ってくるので、ちょっと強くごしごし撫でたら、もうそこらじゅう毛だらけで、背中を撫でたときの終点になる尻尾の付け根あたりには抜けた毛がかたまってくっついているし、黒いズボンも紺色のパーカーももうめちゃくちゃです。
ブラシをかけるのですが、おっつかなくて、とくに西日が差していたりすると、部屋の中に白い毛がいっぱいふわふわと飛んでいるのが見えます。
ブラッシングをしてあげるとみゆちゃんはとても御機嫌なのですが、かけた方は、その後、目、口、鼻などがかゆくなって、今度は自分の顔をごしごし撫でる羽目になります。
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